120年以上の歴史をもつフランスのワークウェアブランド
September 10th, 2020
「本物は尊く、所有することが喜びであり、ロマンである。」
LE TRAVAILLEUR GALLICE (ル・トラヴァイユール・ガリス)<http://travailleurgallice.com/>は約120年以上前の1895年に創業した、フランスのワークウェアブランド。
中東部の都市、リオンに程近いVillefranche-sur-Saôneという都市に生まれ、フランスのワークウェアの黎明期を代表するブランドの1つ。長い年月にわたり、フレンチワーカーたちの生活を支えてきた。

そして今もなお、フランスの職人により一点一点、当時のファンクションを活かしながら製作されている。そのこだわりは「本物を伝えるブランドがなくなってはならない」という使命感から来ていた。現に、フランスの多くのワークウェアブランドがMade in Franceを様々な理由から断念し、海外生産をしている。
フランス製の生地を、フランスで縫製し、フランス伝統のワークウエアを作る。そんな当たり前の事がとても難しくなっている。だからこそ、本物は尊く、所有することが喜びであり、ロマンである。
Q1)とても歴史のあるワークウェアブランドとのことですが、実際はどのような職業の方が主に着ていたのでしょうか?
石工業者、アトリエ、大工、牧場、庭師、造船所・・・様々な業種で着用されていたと思われますが、モールスキンは製鉄所で使われるようになり、その機能性が評判を呼びワークウエア用の生地としての知名度を不動のものにします。

HISTORY of MOLE SKIN
モールスキンはその耐久性と摩擦の強さから、フレンチワーク界において大変に重宝された生地でした。しかし、合成繊維が生まれ、様々なハイテク素材が発明されるようになり、機能面は優位性を失い、コストも高価なため、ワークウエアの生地として用いられる事がなくなってしまいました。同時に生産コストの観点から競争力を失ったフランス国内の機織りメーカーは急速に減少していきます。
需要の喪失とサプライヤーの喪失が重なり、モールスキンを作るメーカーはとても少なくなります。
Q2) BLEU DE TRAVAILコレクションは、かつて使われてたモールスキン生地を使用していますが、特徴などを教えてください。
LE TRAVAILLEUR GALLICEが用いるモールスキンは1850年創業の老舗生地メーカー製で、今でもフランスにおいて機織りを続けている、私の知る限り唯一のメーカーです。
(国外で機織りしたモールスキンをフランスで染色だけして売るようなメーカーはまだ数社ありますが)。
今と昔の違いが出ないよう配慮したモールスキンを選び使用しています。コットン100%にこだわり、薄すぎず、厚すぎず、打ち込みのしっかりとしたモールスキンはかすかな光沢を放ち、着こむ程に風合いを増していくのが、当時から受け継がれる本物だと思います。

当時作られていたMOLE SKIN同じ風合いにこだわる
Q3) モールスキンはデニムのように経年変化を楽しめると聞きました。どのような味わいが出るのでしょうか?
生の状態では張りのあるモールスキンも、長期着用によってとても滑らかになっていきます。旧式織機のジーンズの縦落ちのように、サテン織独特の横方向に目立って落ちるもの特徴でしょう。写真のブラックモールスキンの物は、40年代後半のアーカイブです。当時のワーカーが破れた箇所をかけはぎしながら着続けた歴史を感じさせるものです。

1940年代後半のブラックモールスキンを使用したジャケット。
Q4) LA VESTEの襟部分にある「ヨーロッパワークが出自である事がわかるディテール」とは?
40年~60年代にかけてのフランスのワーク、レジャー(ハンティング等)ジャケットにおいて、独特の丸みを帯びた襟が用いられます。
Q5) サイズ表記スタンプだったのはなぜですか?
スタンプを用いた理由は識別の容易さに加え、コスト削減の観点からです。サイズラベルを作って縫い込むよりも、スタンプ「ぽん」の方が手間がかからず効率的でした。今ではそんなストーリーを伝える、雰囲気抜群のディテールです。

独特な丸みのある襟とスタンプされたサイズが昔のフランスワークを物語る。
Q6) LE PANTALONEのスケールポケットはかつて、どのような用途でつけられてましたか?
「スケールポケット」の名の通り、古くは物差し入れとして機能しておりました。今でいう巻き尺の代わりとして用いられていた、折り畳み式の、折りたたむとかなり厚みのでる定規です。その他にも、ナイフやスパナなど、ちょっとした工具を入れておくようなポケットでした。


Q7) 他にブランドとしてのこだわりや、実際の展示会でみて欲しい、感じて欲しいことやお知らせなどありましたら、教えてください!
BLEU DE TRAVAIL シリーズの他に、フランスの名作軍パン、M47などもブランドを代表するアイテムです。
昨今、着られるようなサイズのビンテージのM47はフランスでも本当に見かけなくなってしまいました。弊社では、もちろんフランス製にこだわり、当時の仕様と変わらぬものを今でも生産しており、お値段も13600円と大変リーズナブルに提案させていただいております。
是非とも本物を手にとって、見てください。
