展示会は最初の5秒が勝負!連続出展のRECIPEにインタビュー
November 4th, 2022
「コンセプトは『驚くほど柔らかい革靴を、日本製で、一万円程度で』」
毎回PROJECT TOKYOに出展するシューズブランド、RECIPE(レシピ)。ブランドの魅力と販路開拓について詳しく話を聞きました。
●レシピとは?
靴に関わる全ての部品を日本で調達・加工・組立を行います。私たちはわかりやすい・つくりやすい・履きやすい・すすめやすい・選びやすい靴づくりを目指しています。
ブランド名、RECIPEは皆さんご存じの通り「調理法」 という意味が最も知られていますが、辞書の2番目、3番目には「秘訣/ 秘密」とあります。
個人の解釈もありますが、インターネットなどない時代、料理人自身が考案した美味しい料理を作るレシピ(秘訣・秘密)が、調理法という大枠の単語にまとめられたのではないかと。
では、よい靴を作る秘訣、私たちの靴の秘訣(レシピ)はなになのか…そんな所からブランド名をつけました。
よい靴は長持ちし、その長持ちする秘訣は、素材にあります。とくに日本の革、中底(中敷の下にある靴の背骨のような部品。)、底(ゴム)は大変優秀。軽く・柔らかく・丈夫。そんな訳で靴の重要な素材を、日本製にこだわっています。

その素材を活かす為には、日本の職人の知識・知恵・技術が素材と同様、必要です。
素材も日本、加工も日本、組立も日本の純日本製がvery goodです。それが靴RECIPEの秘訣で「驚くほど柔らかく、日本製で、一万円程度で、 長く愛用できる靴」という特徴に繋がっています。
●1足からお届け
販売方法の特徴として、小売・卸・個人のお客様問わず、1足から出荷可能。
自社ECの他、全国の百貨店を中心にポップアップイベントなども積極的に行っている。
レシピといえば、 下記の2足の2つが看板商品。


新しいトピックスは、 バックを始めて1年であり、徐々に人気がでていること。
23年8月に 静岡本社敷地に新店をリニューアルオープンすること。下記の写真は現在のものになります。

現在、東京丸ビル3Fにて 9月6日~3月末日まで期間限定店舗を開いています。
●PROJECT TOKYOの活用方法は?
多くのブランド同様、新規販売販路の開拓とブランド知名向上を目標に出展している。
もう数年、継続して出展しており反応がなかった時ももちろんあるが、それは仕方ないこと。天気やコロナ禍など、理由を上げればきりがなく、POPUP同様展示会での反応も上下する。
ただ、お客様同様バイヤーの商品を見る目やお財布も厳しくなっており、1度で決まらなかった所と数回目に決定する、という事もある為、継続して参加している。
継続出展する為にはコスト意識が重要。市や県の補助金の活用、什器もレンタルではなく、自社作成したいものを毎回流用しランニングコストを下げる意識が大切と思う。
●展示会の反応が良かった時のコツは
代表がいつもよりまともな服を着て、展示会場にいた時かなと。笑
ファッション業界なので、見た目や雰囲気もとても重要。
弊社の強みは、国産、国内完結。その為、為替含めた時事の動きも大きく影響する。円安、海外に出張行きづらい、という環境下の今はとくに国産・自社生産・自社在庫 は強いセールストークになる。
でもその強みは1年2年でできたものではなく、昔から工場を維持してきた意識にあると考える。
2022年8月展は為替や物流問題により海外からの仕入れが困難な状況に直面しており、日本製の革靴に興味を持ってくださる方が多く、新規の方との出会いが沢山あった。

●BtoBとBtoCの共存する時代。工夫している点は?
メーカーで製造機能を持っている企業にとっては工場維持が重要であり、「稼働率」が企業として大切な指標の一つとなる。
例えば10000円か11000円で上代設定するかを迷ったときには、必ず10000円にする。
理由はその方が多く売れ、多くの生産に繋がる為。その為、まとまった足数で商談ができるBtoBはとても重要だと考える。
生産足数が確保できた上で、BtoCに。BtoBとBtoCでは、やり方だけでなく、スタッフに求められる能力、かかる費用や内容が大きく異なる為、レシピ製造事業部、レシピ法人販売事業、BtoC事業部とを、完全に分けて運営している。
●最後に今後、PROJECTに出展を考えているブランドに既存出展者としてアドバイスを!

最初に出展する時にお試しで出てみる!という方もいると思いますが、資金や目的意識含め、複数回出展を持続できる環境を考えることが重要だと考えます。
他の出展ブランドの状況は考えず、自社商品の魅力・自社の魅力をしっかり整理できるか。それが大事だと考えます。
ブースで足を停めていただいても、耳を貸してくださるのは、最初の3~5秒。
レシピではカタログを手に取っていただくのを5秒以内にする。カタログをゆっくり後でみていただき、さらに詳しいことはWEBSITEに誘導。「このブランド・商品の事を、後日ゆっくり話を聞いてみたい」 と思っていただくことにつなげる展示会を行うことが大切かなと考えております。