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[JAPAN] 人口ファイバーで作り出す個性溢れるクチュールジュエリーincantesimo
March 22, 2019
万人から好かれるよりも誰か一人で良いので
「この作品」を好きになって欲しい
人工ファイバーを中心にクリスタルガラス、レース、ビーズ・・・様々な素材を組み合わせて作られる、アクセサリーを超えた「アートピース」。そんなincantesimoの魅力をデザイナーの田中さんにインタビューしました。
★アクセサリーを始めようと思ったきっかけは何でしょう?
昔からベルサーチ、GUCCI等のイタリアブランドが好きなこともあり、イタリアでテキスタイルデザインを勉強しました。帰国後、スワロフスキーのパーツが流行っていたので、輸入のパーツ会社で勤務。その後、知り合いのセレクトショップの勧めもあり、アクセサリーを作ることになりました。
★その頃から今のスタイルだったのでしょうか?
今のincantesimoの前身となるものでしたが、異なります。incantesimoの最大の特徴はウィッグ等でも使われる人工ファイバーを使っている点です。私自身がサラサラな髪の毛に憧れていたのもあり、2010年に人工ファイバー出会った瞬間に「これだ」と思いました。もちろん、通常はアクセサリーで使うような素材ではないのですが、仕事上で髪を染められない方、ウイッグを被るまでいかなくても気分で色を入れたい方が、耳からビジューのついた綺麗な人工ファイバーをのぞかせると、イメージチェンジをしたような気分になる方も多いです。ビジューも旅先で購入したアンティークのビーズ、レース等、様々な素材を組み合わせています。
★その後はどのような展開をされていますか?
自身が人工ファイバーのアクセサリーをつけていたところを、あるバイヤーさんが見て「買い付けたい」となり、そこからそのお店の複数店舗に納品しています。徐々に売れる量も増えて6年前からレギュラーとして置いていただけるようになりました。
また、NYで訪れたOPENING CEREMONYでは、自身がincantesimoをつけているのを見て店員の方が興味を持ち、その後バイヤーさんと展示会でお取引が始まりました。
★いつも付けているところが誰かの目に止まり、取引が始まりますね。
はい、本当にそうなんです。
写真で見るとincantesimoはかなり個性の強いアートピースのような商品だと思いますが、着用するとまた印象が変わります。また、私自身が飽き性という事もあり、殆どの商品が一点もの。同じ商品をもう一度作ってと言われても、中々作れないのでそういう意味では気に入ったものをすぐ買う、というお客様が非常に多いです。
また、コレクションとして集めたくなる方が多いのも特徴で、リピーターが非常に多く、多い方は100点以上お持ちの方もいます。
★他のブランドでは真似できない点が詰まっているように見える商品ですね。
作りも非常に手間がかかっているので、真似する方はいないでしょうね笑
人工ファイバーの色出しからこだわり、自分で染めています。また、三つ編みしながら、途中でクリスタル等のビジューをはめ込み、最後に形を整える・・・という工程は4日くらいかかって作り上げています。
BOXにもこだわり、すべての商品にはミニポエムがついています。万人から好かれるよりも、誰か一人で良いので「この作品」を好きになってくれる人が居れば・・という思いが強く、製作途中で納得がいかないと「この作品のお迎えが来ないよりは・・・=売れ残るよりは」と製作中断することもあるそう。
★PROJECT TOKYOではどんな方に手を取ってほしいですか?
見ての通り、個性の強い商品なので本当に気に入ってもらえる方と出会いたいです。目に見えるもの、見えないものも含めて生きていて感じる美しさ、情熱、風景を形にするように、見えないものを形を取り出すような感覚で作っています。販売員の方が気に入ってくださると売り上げも上がる傾向にあるので、お店全体でincantesimoと長いおつきあいができるところと会えれば嬉しいです。
[CAMBODIA/FRANCE] パリのクチュールの匂いを残したEric Raisina
March 22, 2019
「アフリカの大自然をテクスチャーで表現する」
1920年代のパリのオートクチュール文化を求めてカンボジアにCouture Houseを設立したマダガスカル出身フランス人デザイナー、Eric Raisina <https://www.ericraisina.com>。 素材の織り、染め、縫製すべてを自身のクチュールハウスで本人の監修によって行われる。一点一点に愛情を込めて作り上げる作品は、100年たっても価値が下がらないようにと、丁寧に作られている。全体的に華やかな印象のコレクションだが、定番のシャツ、シャツドレス、トレンチなど、フランス人のクローゼットのマストアイテムほど素材の良さを活かしたデザインになっている。
そのEric Raisinaの代理店を務めるのは、エシカルブランドSmateriaの代表の吉田氏。Eric Raisinaとは自身のブランドの為にいつも訪れているカンボジアで知り合ったという。実はカンボジアには、Christian Diorのオートクチュールで使われる生地を生産している工房がある。そこで吉田氏は初めてEricと出会う。
今回出展するアイテムはEric Raisinaのバッグライン。カラフルなのとテクスチャーが印象的だ。Ericはマダガスカル系フランス人のデザイナーなので、パリのオートクチュールの匂いを残しつつ、アフリカの大自然をテクスチャーで表現している。 シルクとラフィアを使用し、羽や毛皮の質感を作る。Ericコレクションのアクセサリーは色鮮やかなものが多く、全てはマダガスカルからインスパイヤされている。モノトーンを好むフランス人のコーディネイトにアクセントになるよう意識されている。価格は22、000円と一点一点こだわって作られている割にはお手頃。
パリでは年に1度、ホテルで顧客様向けのファッションショーを行なっているが、オートクチュール素材で、すべて最初から最後までインハウスで作ったデザインが日本でどのように受け入れられるか、吉田氏もEric本人も興味があるそう。
今回のPROJECT TOKYOに向けてEricも来日する。是非「マダガスカルxフランスxカンボジア」というユニークなデザイナーのバックグラウンドが落とし込まれたコレクションを見てみたい。
デザイナーのEric
[USA] ミニマルアシンメトリーに特化したWILDE VERTIGGA
March 15, 2019
「日本の皆さんとWilde(ワイルド)な旅をしたい」
2017年にスタートしたアメリカのユニセックスブランドWilde Vertigga <https://vertigga.com/> はデュオデザイナーのSharonとRomiが手がける。SharonはイタリアでPrada、Etro、Fendiと名だたるブランドで経験を積んできた実力者。一方Romiは工学学部を卒業し現役のファッションモデルである。まだ若いブランドの意気込みを聞いてみた。
★デザインで一番大切な要素は?
私たちのデザインには様々なエレメントが入っています。特に日本の色、光、シルエット、ラインなどにフォーカスしたミニマルデザインには強くインスパイヤされています。また作家のオスカーワイルドの思想がデザインする際にとても刺激になっています。
★一番人気の商品は?
ベストセラーはUnisex Wilde Bootsです。色は黒とコニャックブラウンがあります。ブーツでユニセックスというのも珍しいと思いますが、作りはイタリアで最高級のレザーを使用しているので履き心地は抜群にいいです。それに加え、こちらの商品はブーツではなく、一足は靴で一足はブーツなのが不思議な要素だと思います。
★逆にデザイナーの好きなアイテムは?
C.Y. Georgia Double-Breasted Coatですね。ボールドでビビットな色なので、着るのには少し勇気が必要かもしれません。アシンメトリーな裾になっているので、街で「どこで買ったの?」と聞かれてしまうほどが個性的なアイテムになっています。
Romiはピンストライプのブラウスです。オーバーサイズかんと何層にもなっているレイヤーがお気に入りなのです。
★PROJECT TOKYOへの意気込みを教えてください。
私たちはいつでも誰でもウェルカムです!ジェンダーフリーなブランドで、これからも挑戦をしていきたいと思っているので、是非色々な方に会いたいです。今まで出会ってきた人たちに感謝をし、日本の皆さんとWilde(ワイルド)な旅をしたいと心より願っています。ありがとうございます!
[SCANDINAVIA] ミニマルに特化したスカンディナビアンブランド、WARDROBE by DOMINIKA BUDNY
March 15, 2019
「地元に根付いた工房と製作を行うので
日本での展開が増えたら日本での生産も考えています」
WARDROBE by DOMINIKA BUDNYは、スカンジナビアのデザインにインスパイアされたハイエンドなブランド。 流行に左右されない定番のコレクションと毎シーズン発表するコレクションの2軸があり、色は黒・白をベースに毎回1色をシーズンカラーとして登用している。
ブランドの本拠地はオランダ、アムステルダムだが、コペンハーゲン等で作品を発表。作品はどれも女性らしさの中に独特なディテールを持ち、構築的でアパレル商材というよりはアートピースに近い商品でもある。
購入層もファッションは好きだけでおも、華美な装飾ではなくミニマルでスタイリッシュなスタイルを好む方多い。また、ビューティーにもこだわる方やエコ・エシカルな意識を持つ方にも。
ナチュラルな素材にもこだわりイギリス、イタリアを中心にヨーロッパ内の「作り手」が明確な素材を使用。サプライチェーンにもこだわり、地元に根付いた工房と製作を行う。日本での展開が増えたら日本での生産も考えており、地産地消に近づける構造を理想としている。 立ち上げたばかりなので販路は現在、公式オンラインストアとヨーロッパのセレクトショップのみで日本初上陸。
デザイナーのDominika自身もエレガントさの中にキュートな顔が覗き、まさにブランドの顔と言える存在。ぜひ、日本初のWARDROBE by DOMINIKA BUDNYを会場で手に取ってみてください。
デザイナーのDominikaさん
[JAPAN] 今までにないプロダクトレーベル、unknown products
March 14, 2019
「人種や年齢、性別を越えて多くの人に届けたい」
unknown products <http://unknownproducts.jp> は日本のプロダクトレーベルとして2019年スタートするブランドで今回初シーズンとなるバッグ・小物を中心としたブランド。
コンセプトは「作者不明であれ、丁寧な仕事が施された良質なものは時代を超え普遍的なものとなり存在する。 その様な製品を残していくのがunknown productsだ。
元々メンズアパレルのデザイナーでもあるYUUYA TAKATEは小物類のブランドを開始した理由を、「人種や年齢、性別を越えて多くの人に届けられるから」と語る。それは、ロゴにも現れ、「製品に触れ、感じてもらいたい」という思いを込め、”視覚化された点字”によるロゴになっている。
代表的な商品に芯材を用いた革小物がある。芯材は財布やバッグの革の内側に強化の為に入れる副資材で、それを敢えて外に見えるように作っている。本来は外側に露出することは無いけれどもレザープロダクトになくてはならない存在である芯材、そこにスポットを当てることは「通常見えていないものが見えているという事象」となり、見えないものの視覚化とも言える。
他にもケーキを持ち帰るBOXのようなバッグはとてもユニーク。生成色のヌメ革にペンキを塗って仕上げていて革と革の間に厚い芯材を挟み込み、構造を成立させている。
どの商品も直感的に製品の魅力が伝わる様なものづくりを意識していて、国内生産をしている。プライスレンジは、財布で25,000 - 35,000円。バッグで25,000- 60,000円。人種や年齢、性別、職業等に関わらず、経歴や名前ではなく製品の魅力で判断している人に届けたい、そんなunknown productsに是非、会場で触れてみてください。
[USA] Made in New York CityのメンズブランドBWC Garments
March 12, 2019
自分の感情をデザインに落とし込んで
着る人の心に響く商品を作る
2015年、アメリカ・フィラデルフィア州でスタートしたメンズブランド、BWC Garments(以下、BWC)<https://www.bwcgarments.com>。ブランド名のBWCは(Built of Craft)の略で、その意味の通り職人とともに一つ一つ丁寧でこだわった物作りをしている。ベースはアメリカ・フィラデルフィアにあり、製作は大都会ニューヨークシティーにある。デザイナーで創立者のJOSHUA氏はファッションの知識が全くない頃からニューヨークの生地屋や工場に通い0から100までの製作過程を学んだという。
BWCはシンプルなのにどこか力強く、大人の成熟さが見えるデザインになっている。ルックではタトゥーだらけのモデルが、冷たい色合いの風景に無表情のアティチュードでポーズをしている。その姿を見るとヴィランに憧れてしまう感覚と同じになる。ジャンルとしてはストリートに入るのだろうが、その静けさには色っぽさを感じさせる。
海外のブランドの中で気になる存在となったBWC。デザイナーのJOSHUAはどんな人なのだろうか?
★JOSHUAの経歴を簡単に教えてください。
僕はファッションを勉強したことがありません。学生時代はずっとフットボールの選手をしていました。大学を2年生の時に中退した後、毎週のようにフィラデルフィアからニューヨークへ通い、いろんな生地に触れました。そこで働いていた人たちが僕にカットソーの工場を紹介してくれたんです。工場の人たちはとても親切で、1から洋服の組み立て方を教えてくれました。僕がいつ工場に行っても、暖かく迎え入れてくれ他のがこの世界に深く入るきっかけになりました。
★デザインをする時に大切にしている要素は?
僕は自分のフィーリングやその時の感情をデザインに落とし込んでいます。それが「オリジナリティ」だと思うからです。いい商品を作るのはもちろんですが、着る人の心に響く商品を作ることが、僕に取ってすごく大切なのです。
★一番のベストセラーはどれですか?
一番売れているのはCobbleコーデュロイのプルオーバーです。素材も珍しく、カットがとてもユニークに仕上がっています。美しいフォレストグリーンの色も中々他にない商品です。
★一番好きなアイテムは?
個人的に気に入っているのはこのピースです(写真参照)。世界一柔らかい枕を纏っているような感じなぐらい、ソフトな素材を使っています。カラーブロックしている感じと、シルエットが若干オーバーサイズなのが、”Extreme Cozy Look”なんです。
★なぜ日本のマーケットを選んだのですか?
アジアの展示会に出すのは初めてです。ここ数年、僕らのウェブショップにアジアのお客様からのオーダーが増えてきていて、特に日本が多くなっています。僕自身、日本のカルチャーが好きで、BWCは日本のスタイルをモダンアメリカンに落とし込んだブランドだと思っています。
去年ニューヨークのリバティーに出展した際に日本のバイヤー達からもの凄く良い反応をいただき、日本のPROJECTへ出展を勧められました。このチャンスを逃すべく、今回から日本のマーケットに挑戦しようと決めたんです。
★PROJECT TOKYOでどんな事を期待していますか?
何も期待はしていないです。ただ、色々な人に出会い、心を開いてベストを尽くすのみです!
★最後にBWCの未来の日本のファンの方とPROJECT TOKYOへの来場者の皆様へメッセージをお願いいたします。
東京はBWCの第二の故郷になると感じています。皆さんに会えることをこころより楽しみにしています!
BWCはただのブランドでなく、音楽とも関係が深く、BWC Soundsという別部隊があります。ミックスを作ったり、イベントを行ったり、音楽祭を開いたり…ジャズ、ファンク、ディスコ、ソール&ブギー。是非、洋服と僕らのサウンドの両方を感じてGROOVEしてください!
<Soundcloud.com/bwcsounds>
デザイナーのインタビューを通じて、ブランドのイメージとは裏腹に情熱的で少年のような無邪気さを感じた。ファッションが好き。音楽が好き。職人との仕事が好き。シンプルに素直な感情から作るブランドだからこそ、着る人の心に寄り添うのかもしれない。
「FASHION = 楽しい」の原点を思い出すイベント。PROJECT TOKYOのコンセプトと近いマインドのBWC。彼らと何かいいケミストリーが起きるのじゃないかとワクワクする。来場の際にはデザイナーのJOSHUAに会いに行くのも展示会の楽しみ方の一つなのかと思う。
[JAPAN] 美を追求する現代人の為のヘルス&ビューティーブランド、THERA
March 7, 2019
「THERAは完全な休息を意味する」
古典に登場する世界を癒した女性、THERAがブランド名の由来。ストレスや工業的なものに囲まれた暮らしの中で、生活バランスや食生活の乱れが問題になっている。特に都会に住む女性たちは毎日の情報量の多さに見えない疲れ慢性的になり、病気を抱えることに。癒しの女神であるTHERAのように再び世界を癒したいと、立ち上がったブランド。
健康美容業界で今まさに注目されている“国産・東洋医学”を見直し、体の負担にならない「漢方」をベースとする。1000年の時を超えて、日本古来の健康と美容のカルチャーを届ける。是非、会場でTHERAの商品をお試しください。
酵素のあらい粉
左:日本酒の生石けん 真ん中:日本酒の拭き取り化粧水 右:日本酒の保湿化粧水
[MEXICO] ゴシックグラムなジュエリーブランドVirgins Saints & Angels
February 26, 2019
「VSAはただのジュエリーではない。付けてみて、感じて欲しい!」
ゴシックテイストなのに、どこか品があり若い人より大人の女性につけて欲しいと思わせるジュエリーブランド、Virgins Saints & Angels(ヴァージンズ・セインツ・アンド・エンジェルズ:以下VSA)が3月のPROJECT TOKYOに出展をする。初めはその「ごってり」としたイメージとGOTHICという文字だけで、安くて若いゴス系の女子向けと勝手に決めつけてしまったが、そのクオリティーの高さと幅広い客層を見ると、原宿の竹下通りで売っている若者向けのゴシックアクセサリーとは全く違うことがわかった。
メキシコのサン・ミゲル・デ・アジェンデで1999年にスタートしたVSAのオーナーでもある”FINN”は、メキシコの職人の腕を使い、彼女らしいGOTHIC GLAMなスタイルでデザインをする。16歳からファッション業界に携わり、雑誌VANITY FAIRやデニムブランドLevis Straussなどで「イメージコンサルタント」として活躍。退職後に世界を見るために世界中を旅したFINNは突然、旅先の一つであったメキシコに残りブランドを立ち上げる。所属するCFDA(米国ファッション協議会)のメンバーページによると、メキシコへの旅行中に事故で死に直面したが奇跡的に助かったことにより、そのストーリーを伝えていきたいと決意する。小さなキーホルダーから始まったブランドは、ネックレスを作り、のちにVSAのベルトバックルはJohn Gallianoがパリのランウェイで着用するほどの認知度になる。
今回日本初上陸のVSA。FINNにその想いを聞いてみた。
★FINNにとってデザインをする際に大切にしている要素は?
コレクションにとって大切なのはそのストーリー。一つ一つメキシコの職人により手作業で製作されています。VSAはこの見た目とロゴで認知してもらえるように心がけています。シーズンが違っても、マッチするようなコレクション作りをしているので、お客様が好きなようにコーディネイトできるのも、私たちの魅力の一つです。
★作品を見る限り、一点一点ユニークなチャームがついていますが、これらは全てオリジナルですか?それともアンティークなどを使用しているのでしょうか?
オリジナルもあれば、ビンテージもあります。メダリオン(コイン)には隠されたストーリーがあり、それも含めてデザインを楽しんでいただけます。
★一番の売れ筋はどのアイテムですか?またVSAのファンが好む理由は?
売れ筋は「Magdalena(マグダレナ)」というピースです。ロザリオからインスピレーションを受けたデザインで、ビーズが何重にもなっているネックレスです。ファーストコレクションから毎シーズン発表しています。3種類の長さに調整でき、シーズンごとにビーズの色やメダリオンが変わります。
ブランド立ち上げ当初から作られているMagdalena。
★逆にFINNの1番のオススメは?
私のオススメは必ずしも売れ筋なものではなく、個人的にパッションが強いものになりますね。うちの場合はベルトのバックルとヘアピースになります。
★なぜ日本のマーケットに挑戦をしようと思ったのですか?
「今がタイミング!」と思ったからです。現在、メキシコ文化やメキシカンスタイルの人気が上がってきています。VSAはその流行の波に乗っています。アジアのマーケットの盛り上がりは世界中で話題になっていて、さらに活性する為にどの国よりも新しいブランドを前向きに受け入れる体制が整っていると思っています。
FINNオススメのヘアピース(左)とバックル(右)。
VSAはアイテムと色のオプションが多い為、商品のセレクトの仕方によってはエレガントなお店からTATOOショップまで幅広く対応ができる。ターゲットとなる層もマイリーサイラスやブリトニースピアース系もいれば、Lady Gagaもいる(実際にこれらのセレブが愛用している)。パンク系でもカントリー系からも支持されている。カーダシアン姉妹の為にオートクチュールピースを作った経験もあれば、ディズニー映画「シンデレラ」にも使用され、マルチな依頼にも独自の感性で答える。
人気アイテムMagdalenaを着用するブリトニースピアース(左)とLady Gaga(右)。
今回のPROJECT TOKYOでは新進デザイナーとしてアジアのマーケットに挑みたいと意気込むFINN。是非ともVirgins Saints & Angelsの世界観を味わいに多くの方に来場してほしい。
[JAPAN] カシミアニットブランドCASHYAGE
February 20, 2019
クセの強い人たちに「おバカなもの作りをしてますね」と
最高の誉め言葉を頂ける商品を作り続けたい
PROJECT TOKYO初回の3月に向けて受けた問い合わせの中で、営業チームの目が止まった企業があった。
メンズ、レディースの両方を展開するブランドだが、同じ作りなのに雰囲気が異なる。ホームページへ飛んでみると、統一感のあるイメージが一目でかっこいいと思えるのだが、やはりメンズとレディースの間に若干の違いを感じる。インタビュー後、その違和感は長年の経験から感じ取るマーケットの反応にうまく対応した努力と戦略があったのだとわかった。
今回はPROJECT TOKYO 2019 MARCHに出展をする、カシミヤニットブランドCASHYAGE (株式会社トランス・ファー) 〈 http://cashyage.com 〉にインタビューした。
★85年に設立されたとHPで拝見しましたが、設立当初からカシミヤニットブランドだったのでしょうか?
1985年にニット卸業としてスタートしました。卸しブランドと成長していく中で、当初から力を入れていたカシミヤニットが売り上げの柱になり、カシミヤニット専業に特化した会社として、今日に至ります。専業になってから、様々な会社のOEM/ODMでデザイン・縫製工場・依頼先との商品作り上げていく中でカシミヤに関するノウハウが培われていきました。
その知識・経験を埋もれさせているのも、会社及び業界の損失と思い、オリジナルカシミヤブランド「CASHYAGE」を2014年に立ち上げました。
★レディースとメンズで雰囲気が異なり、コンセプトもきちんと分けてらっしゃるようですが、その理由と拘りは?
レディース市場は大量生産の低価格の物から、高価格の物までのチャンネルが多く、ブランドとしてはまずカシミヤの良さを知ってもらえるように心掛けています。価格帯も考慮し、幅広く売れるゾーンに主力を置いています。ビジネス的にブランドをキープできるよう、売上も考えたデザイン構成にしております。
メンズは、本当に提案したい物、テーマ・トレンドを意識した物を、熟考し構成しております。
★レディースはベーシックですが、トレンドを押さえているメンズは女性でも着れるサイズとかありますか?
ご指摘のとおり、メンズを気に入る女性ファン・バイヤーさんが、多いので、レディースにサイズダウンしたレディース仕様のオーダーも受けております。
★日本以外でコレクションの発表をされていますか?
PARISのショールームで発表をしています。前期は新規4件が決まりました。
★どのアイテムが海外の方には人気でしたでしょうか?その理由などがあれば教えてください。
今回は、カシミヤのフォア加工(起毛加工)が一番人気でした。カシミヤでモヘアのような毛並みが海外のバイヤーさん達にウケたようです。2番目は、人気モデルで、何度かリピートをしている、横尾忠則さまのコラボ商品のカシミヤのカウチンセーターです。
パリで2番人気だった、美術家・横尾忠則氏とのコラボ商品
★最後に今後の目標を教えてください。
今後の目標は、同一視した市場の大衆主義から離れたファッション好きなクセの強い人たちに、「おバカなもの作りをしてますね」と最高の誉め言葉を頂ける、商品を作り続け世界中に販売したいです。
3月のPROJECT TOKYOでカシミヤニッダッフルコートとカシミヤ100%のTシャツをお披露目する予定のCASHYAGE。ブランドの名前や前年の実績等にとらわれるリテーラーではなく、お客様へこんなのを提案したい!これを売りたい!チャレンジしたい!と熱い想いに溢れたバイヤーやSHOPオーナーとの出会いを期待している。魂を込めたものを作ことでブランドの意識を更に高め、世界を目指す。3月にコレクションを見るのがとても楽しみなブランドだ。
LECTURE
ブランドを立ち上げ、販路拡大に成功した、サクセス ストーリーから学ぶ
March 1st, 2019
Strengths (強み)、Weakness(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)
4つの点について自社を見つめ直す
過去、大手アパレルに在籍していた中小企業診断士の資格を持つ篠原航平氏。ファッションビジネスではデザインと戦略は両輪が必要であり、多くのデザイナーがデザイン重視で戦略を怠りがち。でもそれと同じくらい、自社ブランドの強み・弱みを始め分析が重要なので、その分析の仕方についてお話しします。
★そもそもなぜ戦略が必要なのでしょうか?
コレクションをやっているようなブランドであっても、キャットウォーク等で見せる「見せ筋」と実際に売上を稼ぐ「売り筋」の商品/ラインは違っている事もあります。もちろん、同じである場合もありますが、「ブランドのアイコンとなる商品/スタイル」が必ずしも売上TOPだとは限りません。作りたいものを作るアーティストではなく、デザイナーであればマーケットの声を反映させ、「売上」に結びつける必要があります。その為には「ブランドのデザイン/色」だけではなく、必ず「どう売上をとるのか」という戦略が必要です。
★戦略を練る上で、どこからスタートしたら良いでしょうか?
色々なやり方がありますが、私はSWOT分析を基本で行っています。SWOTとは、Strengths (強み)、Weakness(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つの点について自社を見つめ直す分析。
まずはSWOT分析で自社の現状を認識した後、「理想となるあるべき姿」を設定し、問題(現状とあるべき姿の間のギャップ)と課題(問題の解決=現状とあるべき姿の間のギャップを埋めること)を把握する所からスタートします。
★その4点を出した後はどのように分析を進めていけば良いのでしょうか?
4点のカテゴリーを出した後は、うまくかけあわせをすると、道(=戦略)が見える場合があります。一番良いのは「強み」を発揮できる「機会」に落とし込む事です。強みは自分自身では見つけづらい事も多いですが、第三者の意見を聞くと必ずどんなブランド/企業でも強みはあります。
また、一度やったら終わりではなく、時代の流れとともにSWOTの項目は変わるので、定期的に分析をする事が大事です。
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原点に戻り、改めてブランディングについて考える
January 28th, 2019
ブランドをスタートする人、ブランドを長年やってきて忘れかけている人、
ビジネスをやる上で一番ベースとなるのが「ブランディング」です。
元株式会社イッセイミヤケの営業マンが教えるマン、ブランディングとは?
その内容のレクチャーの一部をご紹介いたします。
PROFILE:
- 岡田 正美 氏 〈株式会社ニレ・アップス 副社長〉
- 株式会社ジュンや株式会社イッセイミヤケの海外貿易・営業を担当。
その後、海外 進出をしている企業を中心にあらゆる面でのサポートを行う株式会社ニレ・アップスに 在籍。
★ブランディングという言葉は具体的にどういう意味でしょうか?
ブランド・企業が取引をするにあたり「価格帯・品質・狙いたいお店層」を定め、マーケットの中で自社がどの立ち位置にいるかを知るところから始まります。その立ち位置/どの方向性を目指すか、がブランディングです。しかし、「どんなお店でも広がれば良い」「中価格帯のモード寄りのブランド」等、自社の方向性を「第三者目線」でみれていないブランドがあまりに多すぎます。よって、ブランドの方向性がブレてしまいターゲットとしたいお店・マーケットに届かない事があります。
★自社の立ち位置=強みという事でしょうか?
自社の立ち位置と強みはまた別になります。
強みは必ずしも「ブランドの品質や価格的優位性」だけでは無く、営業/生産面での強みも入ります。
期中生産が出来るか、小ロット対応ができるか等も客先に対しては「取引をスタートするかどうか」の大きな判断材料の一つになります。
逆に商品での差別化が難しい昨今ではこの点の差別化が非常にキーになり「ブランドの強み」となる可能性を秘めています。つまり、何が他のブランドと違うのか、アイデンティティが強みとなります。
★海外マーケットに向けてもブランディングは必要でしょうか?
はい、もちろんです。海外に向けては別の戦略/価格帯で打ち出したいブランドもいると思います。どんな場合でも「国内のブランディング」ができていなければ海外向けのブランディングはできません。国内での自社の立ち位置を明確にする事から始めてみてください。
海外では日本のブランドだけでなく世界中のブランドが凌ぎを削る場所です。日本よりも明確なモノが必要となります。
★「明確なモノ」というのは具体的にどのようなモノでしょうか?
バイヤーが納得して頷ける「革命」のあるものです。
小さな革命でも良いし、デザインだけの革命でなく技術的な、売り方としての革命でもあります。
ホッカイロ・ウォークマン・カラオケ。業界は違えど全て「日本人による革命」です。どこにでも手に入るものはわざわざ遠い日本からは購入しません。
★最後にPROJECT TOKYOでバイヤーの方とお話しされる方にメッセージをお願いします。
事前に勉強して用意して臨まれるのはもちろんだと思いますが、それを「どのように伝えるのか」が一番のポイントです。
ある心理学者によると、会話の中で一番印象に残るのは「内容」ではなく「声・身振り手振り」が話し手の印象の53%を決めると言われています。
是非、自分が話す姿を一度動画でチェックして、「心に響く話し方」をしているかを振り返ってみてください。
こちらのLECTUREの映像は受講料で
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受講者の声
レクチャー後のアンケートに記載されていたコメントの一部を抜粋しております。
- マーケットリサーチについての話が印象的でした。「誰に」「どのように」売るか、具体的で無ければ価格の付け方やターゲットも定まらないので、自社ブランドの根本に足りない点を感じることができました。
- 「Idea By Japanese」という言葉が印象的でした。日本産や素材等にこだわる感覚でしたが、日本人ならではの他に無いアイディアをどのように生かすかを突き進みたいと思います。
デザイナーがゆえに「作る」事に力を注ぎ、「分析」する時間を割いてこなかったので、自分の時間の使い方も改めたいと思います。
お店から出てくる人は「買った人」か「買わなかった人」のどちらか、と言うのも納得でした。もっと、街行く人の声を拾っていきたいと思います。
今後のLECTUREのスケジュールはこちら!
大好評、世界を股に掛ける股に掛けるバイヤーのレクチャー第2弾
January 22th, 2019
前回大好評だった飯泉太浩氏が教える、
「欧州のリテール事情。大手だけではない個店で良い店教えます!」が開催されました。
ヨーロッパだけでなく、アメリカ、韓国、中国の飯泉氏オススメのリテーラーを一挙紹介。
その内容の一部をご紹介いたします。
★国内マーケットへの対応でいっぱいなので海外マーケットにはまだ進出を考えていません。
そういう日本企業が多いと思いますが、その考えの時点でグローバルで活躍する韓国・ヨーロッパブランドから遅れを取っています。あるショールームのリテールアカウントでみると日本マーケットの5倍以上が世界のお店として登録されています。日本マーケットの縮小・SPA等の業界
構造・・・等を考えると、海外マーケットを意識せざるおえないタイミングが必ず来ると思います。
★その場合にどのようなマーケットが考えられるでしょうか?
大きくはヨーロッパ・アメリカ・アジアの3つに分かれ、アジアは中国・韓国、ヨーロッパもUK、フランス、イタリアに集中する傾向があります。アイテムによってはサイズ展開が大きな壁になる事があります。靴はその典型例でしょう。その場合はアジアを狙ったほうが良いでしょうし、工場の場所によってシッピングの拠点も変わるので、どのエリアにフォーカスするのがベストかはブランド毎に異なります。いずれにしても、その強化したいエリアが決まらなければ、営業資料内の通貨、サイズ展開・・・等が決まりません。
★過去にバイヤーにメールしましたが返信がありませんでした。
海外はバイヤーに限らず、メールは「返ってこないのが基本」。返ってくるのは奇跡。ただし、その奇跡に近づけるために複数回メールするのか、内容をちょっと変えてみるのか、メールでダメならインスタから、HPから、Facebookから・・・アプローチ方法を変えたり。その部分が非常に大切になります。ですので、一度でめげるのではなくそこがスタート地点になります。
★具体的にどのようにアプローチしたらよいのでしょうか?
海外だから国内とアプローチ方法が違うという事はありません。初めてなら「誰か知り合いを通じて」「HPから初めましてメール」「ショールームやセールスエージェントに依頼」「海外展示会に出る」もしくは、「PROJECTTOKYOのように日本で海外バイヤーに会う」のどれかがメインになると思います。何れにしても根気が必要ですし、語学力以前に「ブランドとしての強み」が整理できているかが非常にポイントになります。
こちらのLECTUREの映像は受講料で
ご提供いたします!
受講者の声
-
- 株式会社 RUKA
増子晴香 氏
-
- 印象に残った点は?
- イタリアのショップの売り上げの80%がネット販売だという事実に驚きました。
- 今回学んだことをどう今後活かす予定ですか?
- ネット販売についてが衝撃だったので、その為の人材を新しく取理、事業拡大に繋げて行きたいと思いました。
-
- Field of Pine
松野由香利 氏
-
- 印象に残った点は?
- 海外に進出を検討していたので、特にヨーロッパのイギリス、イタリア、フランスのショップの詳しい内容がとても参考になりました。
- 今回学んだことをどう今後活かす予定ですか?
- 不明だったショップについて、色々と学べましたが、弊社のブランドがLIFESTYLE系なので、自分でももっと調べてみて、アプローチできるか検討したいと思いました。
今後のLECTUREのスケジュールはこちら!
世界を股に掛けるバイヤーのレクチャー
January 7th, 2019
PROJECT TOKYOが開催しているLECTURE第一回目が
12月9日に講師の飯泉氏を迎えて終えました。
聴講頂いた方も大変満足したLECTUREの内容の一部をご紹介します!
テーマ
バイヤーに商品をわかりやすく伝えるには?
お金をかけずに出来るイメージビルド、セルフブランディングについて
★飯泉氏ってどんな方?
飯泉氏は日本でワールド、バロックジャパン、ESTNATION等でバイヤー、MDを歴任した後に中国の10 corso como、
イギリスのLN-CCでチーフバイヤーに。各店で売上を常に前年比で上げ、2018年現在はフリーで複数セレクトショップ、
ブランドのディレクション、バイイングに関わる。マーケットの国際的視点だけでなくロジカルな考え方を得意とする方。
★飯泉さんがバイイングする時の視点は?
商品を見た時に「イメージを粗利に変えられるか」「他で代用が効かない商品か(=ONLY & FIRST)」がポイントになります。
イメージというのはLOOKBOOK、写真、ランウェイ・・・を見た時にどれだけイメージから売上の数字に換金できるか、
どれを何ピース、どのサイズをどのバランスでオーダーするとどのような売上になるか・・・という数字のシミュレーションを常にしています。
★ONLY &FIRSTというのは具体的にどういう事でしょうか?
こういう時代ですので、一般的なものは大体のお客様はクローゼットにお持ちです。デニムなら数本、スニーカーも色別に何足か。
バッグだってオケージョン毎に揃えていると思います。なので、「お客様に迷わせない買付け」を心がけ、クローゼットに無いもの。
これなら買ってみたいと思わせる提案ができるブランドを探しています。
★バイヤーとブランドの関係とは?
バイヤーによって色々なスタイルがありますが、私はブランドはパートナーとしてなるべく多くの情報を共有しています。
消化率はどうだったのか、どのブランドの並びでどのように売りたいのか・・・バイヤー個人で売上を作るのは難しい時代になったので、
ブランドと共に成長できるような関係になるととても強いと思います。
★テーマである「バイヤーに商品をわかりやすく伝えるには?」には何が必要でしょうか?
色々な要因がありますが、インスタグラムのチェックはマストです。また、日本のブランドはLOOKBOOK等のバイイングキットを
作っていない企業が多く、それにより多くの機会損失をしていると思います。国際的な時代ですので、
ブランドストーリーを含めた日英キットの用意が新たなバイヤーへの架け橋になると思います。
こちらのLECTUREの映像は受講料で
ご提供いたします!
受講者の声
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- ノーノーイエス株式会社
佐藤ピャルカ氏
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- 参加された理由は?
- PROJECT TOKYO出展にあたり、事前に色々と勉強しようと思い参加しました。
- 今回のLECTUREはいかがでしたか?
- 本当にためになる事ばかりのLECTUREで、是非出展に活かしていこうと思っています。
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- TASHIROデザイナー
田代耕一郎氏
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- 参加された理由は?
- PROJECT TOKYOに出展するのと、近い将来独立をする方向を考えているので改めてBRANDについて考えようと思って参加しました。
- 今回のLECTUREはいかがでしたか?
- 改めてブランドをどう見せてアプローチをどこにしていくかという点が非常に勉強になりました。俯瞰で物事を考えてそれをどうやってもっと上手くしていくかという、バイヤーに対してどう営業していくかを改めて分かりました。
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- 株式会社ナップパーム
鈴木慎也氏
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- 参加された理由は?
- 3月開催のPROJECT TOKYOに参加するにあたって、事前準備のために参加しました。
- 今回のLECTUREはいかがでしたか?
- 非常にわかりやすい話でした。ロジカルに考えて、逆(バイヤー)の立場に立って考えたときにいろんな答えが出てくることが分かりやすく説明していただき、色んなことが再認識できたのでとても為になりました。
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- AZOEデザイナー
アンディ氏
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- 参加された理由は?
- 今回はPROJECT TOKYOさんからお誘いいただいて参加しました。
- 今回のLECTUREはいかがでしたか?
- すごく勉強になりました。いつもインスタグラムとか何気なく見ていていましたが、今後はもっと意識しながら色々な角度で見たり、投稿したりしないといけないなと思いました。
★次回1月9日のLECTUREはどのようなテーマでお話しされますか?
「欧州のリテール事情。大手だけではない個店で良い店教えます!」というテーマの通りなのですが、国別のマーケットの違いや
小さくて現地で有名なお店について。特に新進のアジアブランドの買付けを積極的に行っているお店についてお話したいと思います。
それぞれのお店には買付けの理由・STORYがありますので海外を狙っていない方にも
「お店の買付けの理由」を覗けるLECTUREになると思います。
RETAILERS
北京の閑静なエリアに位置するライフスタイルショップFOR SAMPLE
March 6th, 2019
「手作り」や「一点物」というキーワードに限定する
こだわりのバイイング
中国北京市東四環付近にある閑静な街に位置するライフスタイルショールームショップ「FOR SAMPLE」。中国といえば、賑やかな繁華街で商品が散乱している雑貨屋をイメージするが、このお店は静かで澄んだ空気感が漂う。グラフィックデザイナーやアートキュレーターなど複数のアーティストで運営している。
バイヤー自らがアーティストな為、商品に対する想いは熱く、お客様にゆっくりと買い物をしてもらえるよう、あえて静かなエリアを選んだという。カフェや中庭を作り、ゆっくりとした時間が流れる。
お客様のほとんどはSNSや口コミでお店を知って訪れる。特に決まったスタイルを求めるわけでなく、バイヤーの独自のセンスを好み、その感性こそがネット上で注目される大きな理由となった。「手作り」や「一点物」というキーワードに限定することで、同じものはない個性豊かなセレクトになっている。毎回訪れる度に新しい商品を発見できる楽しさもあるのであろう。
オンラインショップの運営期間を含めてもまだ2年とい短いが、すでに日本の個性豊かなブランドを多く取り扱っている。バイヤーは日本のデザインや文化好きで、日本のブランドにも高い好感度を持っている。「面白い人と出会いたい」、自分たちの感性と周波数が合うデザイナーと一緒に仕事をし、日本のブランドをもっと中国のお客様へ、そして世界へ発信したいとバイヤーは意気込む。
お店にはギャラリースペースがある為、バイイングはもちろん、ブランドとのコラボイベントなどの可能性も視野に入れて来場する。日本のブランドと日本文化をこよなく愛す中国のリテーラーと面白い企画ができないか、PROJECT TOKYOとしても考えていきたいと思う。
台北merci select shopバイヤーへのInterview
February 22th, 2019
個性あふれるお客様に、それ以上の個性を
世界中を駆けずり回り探す。
台湾、台北の中心地に位置するセレクトショップ・merci <https://www.merciselectshop.com>。2011年に若者向けの流行の発信地としてオープンした。お客様は拘りの強い方ばかりで、名の知れてるブランドも欲しがれば、まだ誰も知らないエッジーなブランドを着たがる。共同オーナーでバイヤーのVINCENT氏はヨーロッパ、アメリカ、アジア各国を飛び回り、お店のお客さまのニーズにあった、また驚きと特別を感じてもらえる商品を探している。
今回のPROJECT TOKYOのMatchmakingへの参加は自ら志願し、新たなブランドの発掘に意気込んでいるVINCENT氏にインタビューした。
★VINCENT氏の経歴を簡単に教えてください。
僕はファッションの業界に15年います。最初は香港で人気のセレクトショップ、D-mopが台湾でオープンした時に販売員として入社しました。D-mopは台湾初のセレクトショップで、世界中の才能豊かなデザイナーを扱い、そこでファッションの知識を付けました。その後、3年間NEU!というショップの店長兼バイヤーを勤め、独立。Merci Select Shopをオープンし、同時にFred Segalが台湾にオープンする際にバイイングコンサルタトをしました。
★バイイングの際にどのような要素を大切にしてますか?
僕はまずディテールをチェックします。生地だったり、プリント、その他使用している素材を確認してからデザインを見ます。僕はクオリティーの高さと特別なブランドストーリーを重視してます。
★日本のブランドについてどういう印象がありますが?
日本のマーケットはものすごく力強く、アジアだけでなく、世界のマーケットに対してへの影響力は絶大ですね。日本から川久保玲さん、山本耀司さん、イッセイミヤケさんのように多くのトップデザイナーが排出され、ファッション業界に偉大な貢献をしてきたのは明白です。
★最後に日本のファッション業界の人や出展者へコメントをお願いいたします!
ファッション業界は常に進化をしています。違う視点を持つもの同士が意見を言い合い、感じあう事で今までにないケミストリーが起きると信じています。PROJECT TOKYOを通して、多くのブランドや日本人のかたと出会いどんな面白い展開が生み出されるか楽しみにしています。もちろん、皆さんも台湾に来てください!台北には美味しいご飯に素晴らしいカルチャーがあります。きっと僕が日本で素敵なチャンスを得るように、皆さんも台北で多くの出会いとチャンスを得ると思います。Welcome to TAIPEI!
販売員から世界を股に掛けるバイヤーにまで上り詰め、今ではお店を構えるオーナーバイヤーにまでなったVincent氏は毎シーズン、自分のショップのファンの為に新しいブランドを求めている。HPのブランドリストを見ると個性豊かなブランドが揃い、聞いたことのないブランド名が多いが、デザインは申し分ない。。実績と経験がお客のニーズに答え、またそれが若いブランドを成長させるのだとラインナップを見るとわかる。是非とも台湾に行った際には彼のお店に足を運んで欲しい。
中国200店舗のセレクトショップのカリスマバイヤーへのInterview
February 18th, 2019
諦めずにいいデザインを続けるブランドを見つけて
中国の若者へ世界のStreetファッションを届ける
中国都市の好立地に店舗を構え、2013年より若者のストリートファッションの土台を作り上げてきた
セレクトショップINXX 〈http://www.inxx.com〉。その店舗数は200を超える。
INXXの中ではコンセプトが大きく3つに分かれている。High street fashionの「INXX」、Street fashionの
「inxxstreet」、international high street fashion の「X Concept Stage」。これら3つのコンセプトをベースに
100を超える世界各国の有名なブランドとコラボレーションをしてきた。
マルチメディアを通して、今のトレンドや若者文化を考察し、サブカルチャーなど様々な分野の視点から
ファッション好きの為にブランドを選択しバイイングしている。グローバルなライフスタイルを体験出来る
ことが顧客の好みと需要を満たし、若者のハートを掴んでいるのだろう。
今回は中国のストリートカルチャーの先端を走るINXXの現役バイヤーBENNY氏へインタビューした。
★INXXが店舗づくりで最もこだわっていることは?
ビジュアルがとにかく大事です。ライテイングを店舗で流すムービーや音楽に合わせて、各都市の若者の
ATTITUDE(態度)を表現しています。Pop-upやイベントなど様々な場面に応じて、シーズン毎に違う演出
ができるように設計しています。
★お店のお客様はどのような商品に惹かれますか?
個性を強調し、鮮やかな色使いや他にないデザイン・スタイルを求めていると思います。
★バイイングの際にどのような要素を大切にしてますか?
個々のブランドの特徴を活かし、今のトレンドに落とし込めれるかどうかが大事です。なので毎シーズン、テー
マや何を表現したいのかをよく理解するように心がけています。もちろん、色や形、プライスなどが顧客のニー
ズ、INXXのスタイルに合うことが大前提です。一番重要なのは、お客様が「INXXを着ている私は一番オシャレ
」と感じさせることです。
★日本のブランドについてどういう印象がありますが?
「真面目」ですね。私が初めてファッションに触れた時から日本のブランドが大好きです。テキスタイルも、
ディーテールも、パターンもアジア人にピッタリだと思います。近年、ファーストファッションみたいなブラ
ンドも出ましたが、日本ブランドにはとても良いイメージを持っています。
★PROJECT TOKYOで何を期待していますか?
デザインの力強さ、ストーリー性の強いブランドはもちろんですが、何よりポテンシャルのあるデザイナーと
出会いたいですね。
★最後に日本のファッション業界の人や出展者へコメントをお願いいたします!
日本の「職人精神」を昔から尊敬しています。私は保証のない未来を恐れず、黙々と努力をしているデザイナ
ーをたくさん見てきました。私が伝えたいのは、諦めずにいいデザインをし続けていれば、絶対にいつか誰か
の目に止まります。今回のPROJECT TOKYOで私の目を光らせるブランドと出会えることを期待しています。
過去に自身のブランドを持ち、デザイナーの経験を経てINXXのインターナショナルバイヤーに抜擢された
BENNY氏。200店舗のモンスターセレクトショップのバイヤーはホールセール側にいたからこそ、ブランド
の努力と想いを理解し大切に出来るカリスマバイヤー。
是非、彼の期待に答え、多くの出展社がBENNY氏へアプローチして欲しいと願う。
シアトルのアクセサリーショップHitchcock MadronaオーナーへのInterview
February 6th, 2019
アメリカでは絶対に見つからない、ONE OF A KINDな商品を求める。
アメリカ・シアトルのダウンタウンから10分ほど離れたマドローナという静かで歴史的な街に位置する
Hitchcock Madrona (ヒッチコック・マドローナ)〈https://hitchcockmadrona.com〉が
Matchmakingに参加!
13年前の2006年にオープンし、毎年テーマを掲げ、そのテーマに沿った商品を仕入れる。
テーマによってお店のインテリアやビジュアルを大幅に変えるというこだわりが
多くのお客様を魅了している。今回はそんなHitchcock MadronaのオーナーへInterviewした。
「Art Gallery(アートギャラリー)」、「1960s NASA Space Office(60年代のNASAのスペースオフィス)」、
「Preppy Wonderland(プレッピー・ワンダーランド)」、「Scandinavian Ice Cave(スキャンダナビアンの氷洞)」
など様々なテーマを過去に掲げてきた。
OWNERS’ PROFILE
オーナーのエリカとダスティンは従兄弟同士。エリカは主にPR、バイイング、販売を行う。アメリカの名門大学Johns Hopkinsで経済学を学び、Nordstromのコスメ部で経験を積む。一方ディレクターとしてディスプレイを担当しているダスティンはビジュアルマーチャンダイザーとしてBarneys New York、PRADA、HERMESなどの名だたる企業と仕事をした後、アメリカ全土のEtroのお店のビジュアルを担当する。その後、従兄弟同士でHitchcock Madronaを生まれ育ったシアトルでオープンする。
★来店するお客様が好むスタイルとは?バイイングに重要なポイントは?
女性のアクセサリーを取り扱っているので、お客様はほぼ女性です。
年齢は35歳から65歳と幅が広く、大衆的なものより、一点物「ONE OF A KIND」を好み、シアトルでは手に入らないブランドを求めてきます。アメリカでまだ売られていない、お客様の想像の枠を超えるデザインを求めています。
★日本のブランド、日本について。
私とダスティンは80年代から日本のデザイナーのファンです。私たちが訪問するショールームには日本のブランドが多くないので、日本との取引の実績があまりありません。今後は日本のブランドにフォーカスをし、しっかりと取り組んでいこうと思っています。
★日本の合同展への来場は初ですが、PROJECT TOKYOへの期待は?
オンライン以外では中々手に入らないブランドの商品をHitchcock Madronaのお客様に見て、触って、日本の物作りを感じていただく為、まずは日本のブランドがどのような商品を作っているか、そして日本のユニークなマーケットを理解したいと思います。
★最後に出展者、並びに新たなHitchcock Madronaファンへのメッセージ。
Hitchcock Madronaはローカルなブランドではなく、世界中のアクセサリーブランドにフォーカスをしています。どの国出身でも私たちと同じ目線や視野を持つアーティストやデザイナーとの出会いを期待しています。
今まで日本との取り組みはありませんでした。その理由は特定してないですが、日本のカルチャーやデザインが大好きだからこそ、私たちのお店で取り扱い、チャレンジしたいと心から強く願っています。
こだわり抜いたイメージを10年以上続けるHitchcock Madrona。
今もなお、独自の主観を保ちつつ新たな挑戦を試みている。
日本ではまだまだ無名のセレクトショップだが、意気込みは強く、本気のバイイングをしに来場すると思うと主催者として大事にしたいリテーラーであり、出展が決定しているブランドも検討をしている企業も是非ともアプローチをして欲しいと強く願う。
H. LorenzoメインバイヤーへのInterview
January 17th, 2019
「Mr. LORENZOは日本のブランドを世界で売り出すパイオニアです。」
ロスアンゼルスに4店舗を構え、セレブリティ達から絶大な人気を誇るセレクトショップ、
H. Lorenzo <https://www.hlorenzo.com>がPROJECT TOKYOのMatchmaking Programに参加!
オーナー自身の名が店名であり昔から日本のブランドを多く取り扱っていることで有名なH. LORENZOは今でも年2回、
各シーズンに必ず来日している。
そんなLORENZO氏にPROJECT TOKYOが立ち上がる話をすると快くMatchmakingに参加することを承諾してくれた。
そして現在メインバイヤーを務める息子と共に来場を約束。
今回のインタビューでMac Hadar氏がその意気込みを語る。
★H. Lorenzoというお店のコンセプト、そして現在運営中の4店舗とは?
全ての店舗に独自の美学があります。
H. Lorenzoとしてのビジョンはコアにあり、それをベースに各店舗の美学にあったバイインングを心がけています。
我々は常にアンテナをはり、ブランドを魅せるショーケースであり、若手デザイナーのためのプラットフォームでもあります。
世界中のファッションの中からベストを選びそれを発信していくことがH. Lorenzoのコンセプトです。
★お客様が好むスタイルとは?バイイングに重要なポイントは?
具体的にコレ!というスタイルはありません。
ただ、ブランドが持つ「ピュアさ」がデザインに落とし込まれていることがとても重要で、私たちのお客様はその心に惹かれています。
もちろん、私たちバイヤーやお店のスタッフがブランドのファンであることも大切です。
私たちが好きだと思うことがバイイングのスタートです。
★日本のブランド、日本について。
H. Lorenzoでは多くの日本ブランドを取り扱っています。
例えばdoublet, undercover, Juliusなど。父であるLORENZOは日本のブランドを世界で売り出すパイオニアです。
私も父も日本を愛しています。カルチャーもそうですし、物事への考え方、僕らと通づるものが多くあります。
★LORENZOさんはアメリカPROJECTに何度もご来場いただいていますが、PROJECT TOKYOへの期待は?
今回参加することをとても楽しみにしています。
どんな出会いがあるか、どんな発見があるか、ワクワクしています。
★最後に出展者、並びに日本のH. LORENZOファンへのメッセージ。
3月に皆さんに会えるのを心より楽しみにしています!
新しいファッションへの発見や素晴らしい人との出会いがあると期待しています。
常に時代な先端を行くセレクトでシーンを牽引し続けてきたH. Lorenzo。
オーナーであり、創設者のLORENZO氏のブランドの発掘と商品のセレクトをする「目利き」は今では伝説的と言われている。
今では息子と娘にバイヤーのポジションを任せているが、どの現場でもLORENZO氏の存在は欠かせない。
もちろん、アメリカPROJECTにも来場し、その千里眼で国内外の多くのブランドを見つけ育てあげてきた。
彼のようなバイヤーが来場するかしないかで、合同展示会の良し悪しが決まるのではないかと思う。